移動する羊 是楽日

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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び

『だげびろ』~2026年3月9日(月):目先想創


花粉症で目が痒い。
くしゃみがまるで止まらない。
紅に染まった眼球はさらに紅く。
頭の奥深くは鈍くなる。
何という脆弱さだ。
薬を…薬をくれぇ……。
彷徨いふらふらクラクラ呻き呟き。
求める僕はなっています。
まさにゾンビになってます。
心も体も濁しております。
我、ゆえにダゲビロと、申す。
「何!?……だげびろだって……」
「そうだよ…それがなにか?」
「…………の名だ……」
「え?」
「それは…魔王の名だよ…」
「魔王……?」
「そう。魔が差すことを極めた王の…名だ…」
「まさか…いや…まさに…」
「そのまさにさ」
「僕は…我慢出来ずに目を掻いた。皮切りに、ひたすらに掻いた。その先で光が失われ闇に支配される未来が待っていると分かっていても、僕は掻き、かき続けたんだ。たった一つの魔を始まりに…」
「君は数分の欲望で、未来を殺す者たちの王」
「魔が差す王。魔に差される王」
「……そう…魔王ダゲビロ…」
なんてこった……。
失望の音が響く。
ああ…全部に濁音がついてるじゃないのっ。
「……ソコ?」
ソコでしょう!?
だっで、ゾンビってるじゃない。
ゾンビリビングじゃないの。
ゾンビリビング・デッドじゃないのよ。
「いや…だからといって〝だって〟に濁音はつけなくてもいいでしょ……?」
きゅうん。
だって恐ろしいのよ、鏡の自分。
濁音になるってものなのよ。
魔王の眼球だよ?
何より無力の王様だよ?
もう僕には何も出来ないの。
痒いしクシャミは止まらないし。
どんどん体力は奪われるし。
……このまま死ぬかもしれませぬ。
ふぃいん。
いや、ぞぉびん。
あ…でも…ゾォンビだから大丈夫か…。
ふうぅ。
キャッフンゾンビは今日も逝く。
何度も、何度も、何度でも。


「魔法使いがいるのなら、目先使いがいてもいいじゃない。世界と関わるって意味でいえば、同じカテゴリーになるんじゃない?だって世界は魔法に溢れているからね。目の先に溢れる魔法を掴むこと、それがまさに目先使いなのさ」と呟くくらいには、花粉症によって朦朧としています。きゅう。


とにかく寝室を清浄し。
早めにささっと眠るのだ。
恐るべしだぜ、花粉さん。
まだまだ腸活、足りないね。
腸の調子で変わる(らしい)を信じてね。
一年、これから頑張るんだから。
来年こそは花粉に、勝つ!


愛川武博


by moving_sheep | 2026-03-09 20:09 | 目先そうそう | Trackback