移動する羊 是楽日

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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び

『ぼくらは雨の一粒』~2023年8月27日(日):目先想創


5時に起きて、散歩する羊。

御滝山金蔵寺・御滝不動尊へ。


船橋市を流れる〈海老川〉の源流と言われている場所まで、行った。

お寺に入り、杜の中を歩く。

深い鎮守の森。

空気が違う。

素敵。

母の誕生日だったので、そこから電話をする。

起きて動き出している時間だ。

相変わらず、すぐ切られる。

僕の携帯は通話代が定額だから気にしなくてもいい、そう何度も伝えているけれど、昔からずっと短い電話だけは変わらない。

話したい事はあるんだけどな、と思いつつ、僕は散歩を続けた。


歩いてしばらくすると池があり、その先にある下へと続く階段を降りていく。

すると石造りで出来た、深く高い貯水槽の中に入ることが出来る。

中には渡り石が置いてあって、飛び石を踏み渡って奥まで行き、石壁から出ている湧き水を飲んだ。

美味しかった。


ちなみに海老川の源流ではあるのだけれど、海老川は河口部分だけを言うので、厳密には金杉川の合流と念田川合流までは北谷津川という。

そこから念田川を合わせ、飯山満川、前原川がそれぞれ東から合わさり、長津川を合わせてやっと海老川。

川はたくさんが集まって、大きな川になるのよね。

凄い。

大河もそうだけど。

だから金杉川と念田川の源流も、海老川の源泉になる、訳だ。


人間と似ている。

始まりの水は幾つかある。

きっと何より大きな源泉となる水もある。

幾つもの水を取り込み、清濁合わせ、最後には一つの大きな流れになって大海へと行く。


魂も似たようなものであると考えている。

大海から空へ昇り、雨になって大地に降り、そうして湧き出でる。

海を目指す。

半ば、奪われ誰かの水になることも、空へと昇ることもあるだろう。

それでも川となり大海を目指す。

そうしていつか海に辿り着いたら、混ざり融合し新たに空へと昇り雨の一粒になる。

ぼくらは雨の一粒。

降り。

湧き出で。

形を変えながら目指す。

同時に辿り着いた大海ですら、まだまだ深く遠く、そしてあるいは境目を超えて高く。

終わらない。

その中で、たった一粒を、稀に持ち続ける魂もある。

何度もその一粒を失わず現れる魂がある。

その世界観。

紡がれ描かれる瞬間。

干支物語はそんな物語でも、ある。


干支物語

Rabbit-Over


形にせねばならぬな、と、母の誕生日に、朝から散歩をしながら思うのでありました。



愛川武博



by moving_sheep | 2023-08-27 23:55 | 目先そうそう | Trackback