『並列四辺形』~2023年4月16日(日):目先想創
ふと思い出す。
彼女は言った。
「ケーブルカーってすごいよね。だって、並行四辺形の形をしているんだよ?」
山の斜面を削り、線路をひき、乗っている人たちを平行にしながら上げるため、確かにその電車は平行四辺形に成っているのだ。
凄い。
まさに。
連想して、電車オタクたちはケーブルカーを認める認めない派に分かれたりするのだろうか?
なんて思ったり。
認めない人は許せるだろうか?
と、電車オタクたちの派閥争いコメディを考えたり。
と書いていたら、雨が凄い勢いで降ってきた。
慌てて洗濯物をしまう。
向こうの空は青空だ。
つまり今、この周辺だけに雨が降っている。
どうやら向こうの幹線道路の方には降ってなさそうだ。
あ。
そして通り過ぎた今。
ああ、今がいっぱいやってくる。
僕らは絶えず過去になってゆく。
何だか少し、ずれてゆく。
まるで僕らは並列四辺形。
いやいや、何そのとってつけたようなマトメ!
はいー。
はいー。
だって突然、雨降ったから。
言いたかったのは、人の想いは人生は、時に並列四辺形で進むことだってあるってこと。
でもさ。
並列でも。
四辺形には、なれてるの。
ちょっと気づきにくいだけで、効率が悪いけど、山を登るときや、頂きを目指すときに使うような、僕らは並列で何も関わっていないように思っても、何かをその間の空間に保っている。
ことが、ある。
喩えて一つ「役者の君が、僕はやはりとても好きなんだ」と思う事のように。
そしてはっきり言葉として「そこから生まれるモノがあるんだ」と言えるように。
ズレてしまって並列で、関わる事がなくなったとしても、どこかでつながるズレた、線、ケーブル。
僕らは並列四辺形のケーブルカーなのかもしれない。
そう思ったりするよ。
愛川武博

