移動する羊 是楽日

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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び

『マーブルな世界』~2023年2月16日(木):目先想創


朝のほんの短い時間、本を読む。

起きようと思っている時間のその前に、数日前から起きてしまうから、隙間時間に読んでいた本を、朝でも読むことにしている。


朝の短い読書は、いつも奇妙な感覚を連れてくる。

ぐにゃりとした幾つもの色で染められたマーブルの世界で、必死に何かをつかみ取ろうとしている五覚の感。

多彩な色の一つを掴もうとすると、その色がまた新たなマーブルを産み出して。

そうしてマーブルは増えてゆく。


夜と朝の狭間で、現実と本(ある目的のために創られた物語)がゆにゃりぐらりと広がってゆく。

いやむしろ小さく集まってくる感覚の方が正しいのかもしれない。

広がっているのか収縮しているのかも分からないほど、狭間は不確かで曖昧で、同時にマーブルという意味においては明瞭で明確に在る。


「まるで“誰か”との関係みたいだな」

そう思った。

朝と夜のように。

現実と虚構のように。

“誰か”と僕。

いや逆なのかもしれない。

僕が朝で現実なのかもしれない。

夜で虚構なのは、僕が創り出してしまった物語なのかもしれない。

その物語(誰か)と現実の僕は関わる。

現実の“誰か”ではなく、僕の中の夜と虚構と。


短い朝の読書は、最近ほとんど『人に関わらない自分』の心に触れるようなもの、でもあるのだな、と、まだ暗い空を窓の外を見ながら考えた。



愛川武博



by moving_sheep | 2023-02-16 05:06 | 目先そうそう | Trackback