移動する羊 干支公演・参‐戌‐『センチメンタル・ドッグ』12月8日(土)9日(日)上演いたします!

移動する羊 干支公演・参 -戌-
『センチメンタル・ドッグ』

作・演出:愛川武博
音楽:石橋りょう

【出演】
タケケ
石橋りょう
湖子

律人(劇団ピンクメロンパン)
竹中勇貴



加田斎
中村仁美(Gliese832c)

小山千尋


小玉夏海

藤田祐子


<チケット>
前売り・当日2,500円
高校生以下1,000円
発売中

<開演日時>
12月8日(土)
11:30
15:30
19:30

12月9日(日)
13:00
17:00

受付・開場は各30分前より
各回定員40人
上演時間は約90分を予定しています



[予約フォーム]
https://www.quartet-online.net/ticket/sentimentaldog


<場所>
新生館シアター
住所:〒170-0011 東京都豊島区池袋本町1-37-8 中村ビル2F
HP:http://kitaike-shinseikan.com/index.html

【アクセス】
・東武東上線「北池袋」駅より徒歩1分


センチメンタル・ドッグ、その始まり

〈神の物理学〉という学問を研究している学者、天音虎太郎~通称ネコ先生は2018年の年明けに、数人の奇妙な人間たちを連れて研究所に戻ってきた。

しかし研究所を守る巫女である、釈迦堂智美は居なくなっている。



「研究所を守る巫女ってのも変なハナシだ。神社じゃないんだから」

天音虎太郎が連れてきた奇妙な数人の一人、シンラは言った。


天音虎太郎はニヤリと笑い言う。

「ここは神が育つ場所だからね」

その言葉を聞いて、シンラは静かに呟いた。

「神が育つ?むしろ“魔”が育つ感じのする場所だよ」

「魔。悪魔。悪鬼。鬼?なるほど確かにそうかもしれないね。なぜなら僕は君たちをココに連れてきたワケだから、ね、空から落ちてきた鬼の末裔さんたち?」

天音虎太郎のその言葉を聞いて皆、ゆっくりと空を見上げた。

そうして静かに小さく歌を口ずさむ。

“妙、妙、妙と鳴く、雲が歌う、大地が震える、雷の中に生まれた世界に反する我らの力”

その瞬間、空にあっという間に雷雲が生まれ雷が世界を走った。

「例えるならば、君たちはまさに雷が産み出す反物質だ。宇宙誕生の時には物質と同じ量があったとされる反物質。今じゃそのほとんどが消えた。しかし雷雲がまさかその反物質を作ってたなんてね。素敵な発見だ。日常に生まれる消えたはずの反物質。面白い。まるで君たちそのものみたいじゃないか」

嬉しそうにそう言った天音虎太郎を彼らは見た。

その瞳に奇妙な輝きが走る。

それはまるで雷雲から地上に落とされる雷のようであった。

天音虎太郎はその瞳の雷を見て、うなずき微笑み優しく言った。

「さあ姫を探しに行こうじゃないか、鬼の皆さま?」

戌年の2018年。

犬飼太郎は一族長年の悲願を叶えようとしていた。
〈物理王になる〉

その悲願のために必要な釈迦堂智美。

空の姫さま。

巫女。

その空の姫を探す鬼と呼ばれる謎の人々。

神と悪魔。

物質と反物質。

空の力をめぐり繰り広げられる、世界の終わりへと向かう物語。

それは日常の物語。

「俺は神の頂に登るために、悪魔にだってなるんだよ」




by moving_sheep | 2018-12-09 19:00 | ‘18干支公演参‐戌‐センチメンタル・ド | Trackback
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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び


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