【今日の目先虫】・『呼んでいる?そういう、場合』~タケケ
僕は何度も彼女の夢を、何の前触れもなく見ることがあるのです。
彼女には感謝しつくせない程の“物語”を貰いました。
その物語は、自分の中で一本の樹木のように、その年輪を重ねている。
彼女には感謝しつくせない程の“救い”を貰いました。
量ではなく、一つ。
そうたった一度だけの出来事だったけれど、その瞬間の意味を忘れない。
それは自分が本当にシンドイ時に、でもそんなことを一言も書いていないメールを彼女に送り、その返信のかわりに携帯へ電話がかかってきた時でした。
どうしたの突然?
僕はそう聞きました。
電話をもらう理由がないのです。
その時、彼女は当たり前のように言いました。
「ん?本当にツラいんだろうなと思ったから」
彼女とはほとんど会うことはない。
それでもたまに夢にはやってきて、いつもの佇まいそのままに、笑っています。
今日もまた、昼寝で僕は久しぶりに彼女の夢をみました。
僕の中で、彼女の出てくる夢は、いつの頃からかカテゴリー分けがされています。
二つ。
もちろん印象にすぎないのだけれど。
妄想に近いと言ってもいい。
一つは僕の潜在意識が思い出しているな、と思う場合。
もう一つは、彼女が僕を、思い出している、もしくは無意識にでも、呼んでいるんじゃないか?と思う場合。
そんな時、僕は夢の中で五感、心、頭、様々を使い、夢を見ることに特化します。
もらさず、そこに込められたメッセージを読み取ろうと、足掻きます。
そして目覚めて必ず思んです。
『大丈夫かな?元気にしてるかな?助けになるかワカラナイけれど、自転車乗りタケケは呼ばれればすぐ飛んで行くのにな』
根拠のない、自意識の怪物が作り出した、オカルトであることを心から願います。
願わなくても、普通に考えればオカルトです。
オカルトとそれなりに思っているので、彼女に連絡することはありません。
でも。
でも例えば。
でも例えば、こんな救いを求める形。
僕らは過去で出来ている。
その過去が、記憶が、ひょっとしたら誰かを呼ぶことがあるのかもしれない。
僕に助けを求めることがあるのかもしれない。
うん。
センチメンタルオカルトと呼ぼう。
いや怖いよ。
冷静に考えれば、怖い発想よ、あなた。
例えば僕が知っている“彼女の強さの底に隠された弱さ”が、己の無意識に働きかけ、そんな風に思う夢を見させているだけなのかもしれない。
そうだといい。
それがいい。
むしろ合点がいく。
でも頭によぎる言葉があるのです。
『自分じゃなくてね、相手が思っているから、あなたはその人の夢を見るのよ。ううん、そういう説。そういう、場合』
僕はその時に、ひょっとしたらそんな夢もあるのかもしれないな、と思ったのです。
それに近いなと思ったことが昨夜ありました。
夜中の1時に悪夢で目が覚めた、その数秒後にあるメールが届いたのです。
そのメールを読んだ時、そのメールの内容と夢が、“同じだ”と思いました。
そのメールの本質を捉えている夢を見たなと、僕は瞬間、思ったのです。
その人の念がメールより先に届いた感じ。
いえ、具体的には違うんですよ。
でも具体的に、詳細が合うワケじゃないからこそ、メールの本質と夢の構造が似ていると思ったのです。
でも違うかもしれない。
だって、話の流れだけで言えば、合わない。
そうだ寝ぼけていたのだ。
だから昼間の夢も、己の自意識が作り出した産物だ、と、着地します。
それでも、僕の心と頭と五感が動き、僕に告げているのです。
『君はあるいは、呼ばれているのかもしれない』
そんなオカルトで電波系なストーカーチック、今日目先。
いえ、ただ心配性なだけなんです~きっと!