みんなが現れるまで書き物 (竹内 昭彦)
暖房をつけるのを忘れていた。今日はまだ誰も現れず、ちまちまと、物書きをしています。
色々書いてますが、今はある役者に頼まれた『ウォーカー』という役の出来うるかぎりの側面を書いています。
その、頼んだ役者が竹内 昭彦。
うちの稽古場には、金野 潤という女優がいます。
彼の女優ぶりは、皆がいない稽古場があったんですが、その時に何時間もの間『女優、金野潤の今ままでとこれから』を愛川が語らせられたほどの、女優ぶりです。
竹内君。
きっと彼も女優です。いえ、間違いありません!!金野君とタメ張るかもしれません。今はまだまだ大人しいですが、今に『アタシ、こんな脚本じゃやれないわ!!』って言うに違いありません。うちには、そんな脚本演出家に厳しい女優が三人いることになるワケです。え?あと一人?はい、カスミ様でございます。むう。こら、コワイ。
でも僕は、竹内君の声に耳を傾け「しょうがないな~」なんて言ってしまうでしょう。
彼はとても、いい声をしています。
低く、響く声。大地の奥底から岩盤や重力と戦いながら、やっと這い上がってきた声。
それは堕ちた天使が、地上に地の底から現れたかと錯覚するかのごとく、甘美なる漆黒の響きなのです。
しかし、その堕天使なる才能だけでは辿り着けないのが表現の領域。
果たして、彼は人間になりえるのか?
その声に魂をのせることが出来るだろうか?
いや、彼ならやれるだろう。
そして、ウォーカーの目指しているものとは?
彼の、本物の女優魂をご覧あれ。

