稽古場情報 先人たちの言葉を地図がわりに僕は地平を目指すのだ
その人は静かに僕に話しかけてきた。
何もワカラナイ僕は驚き、ただ必死に質問するしかなかった。
「何を、ですか?」
その質問にその人が少しバカにしたかのように笑った。
嘲笑?
あるいは僕の切羽がその人には面白かったのか?
きっと違う。
ただの親切心だ。
オノレの自信のなさがそう見えさせただけなのだろうと後で思い返すのだが、その時はなんだかその笑顔に少し不愉快になり、僕はそんな気持ちを抑えるようにゆっくりと言った。
「どうすれば良いのだろう?」
その人は少し間を置いたあと、静かに丁寧に優しく呟いた。
「見せてくれる?あなたの人生の全てを…」
思考した。
全て?
驚愕した。
全て…。
なんということだろう。
オノレのあらゆることをさらけださなければ、僕は、辿り着くことが、デキナイ。
昔、ある人に言われた一言を思い出す。
「君は、本物の覚悟はあるかい」
その時に僕は答えられなかった。
人生とは「覚悟」を持った人間が新たな地平を開拓してゆく。
頭ではワカッテイル。
でも“本物の覚悟”は今でも掴むことがデキナイ。
僕はずっと手に入れるためにあがき続けている。
そうしてたまに少し掴み、あっという間に手離し、また掴むために足掻く。
いいよ、さらけだそう。
さらけだすことでしか手に入れられないのならば、僕は全てをさらけだす“覚悟”を持とう。
それは例えば好きな人を、照らいもなく好きだと大きな声で叫ぶこと。
そうだ僕はそういう選択をするって決めたじゃないか。
たかが人生の足跡くらいなんだ。
僕はそうして自分の生まれた場所から移動した先、新しく自分の始まりに選んだ場所、姿形や、筆跡までもを渡して、人生初のパスポートを手に入れたのだ。
ああ、なんということだろう。
旅人の物語をたくさん書いているクセに、ほとんど旅をしてこなかった僕が、本当に世界旅をすることになるなんて。
来年トルコ。
冬の終わり、春分の日の前にトルコ。
僕はこれでいつでも好きなだけ世界を旅することが出来るのだ。
パスポートがあっても行けない場所があるのは知っているけれど、世界を旅する資格を有しているとはなんて素敵なことだろう。
さらけだした甲斐があるってもんだ。
「旅が出来るのは帰ってくる場所があるからなんだよ」
世界中を旅していた僕の友人たちは口をそろえたかのように皆そう言ったものだ。
諸先輩たちの皆様、僕には帰る場所がちゃんとあります。
安心して旅立てるってもんです。
ああたくさんの旅人たちの言葉を思いだす。
ありがたや、ありがたや。
そして“旅”という言葉に触れると、やはり必ず思い出すことがある。
旅をしたことのない僕にある人が言った、たった一言。
「君は、永遠の旅人」
来年、初めて世界を旅する。
愛川です。
今週の稽古
--------------
10月19日(金)
17時30分~21時30分
南長崎第一区民集会室
10月21日(日)
13時~17時
要町第一区民集会室
基本稽古内容
--------------
@基礎訓練(アップ・体幹・身体トレーニング)
@ミッシングウォーク(羊メソッド)
@テキスト作品作り
---------------
クリスマスあたりにお芝居上演画策中。
羊たちの宴「冬」。
演目一つは「砂の歌が聞こえる」。
演目二つ目は役者募集中&作品制作中。
稽古場は誰でも参加出来ます。
いつもだいたい池袋周辺で稽古。
興味のある方は愛川武博(loveriver@di.pdx.ne.jp)まで『稽古場参加希望』とタイトルに書いてメールください。
テキストを用意したいので、来られる方はお早めにご連絡ください。
勿論、当日ヒョイと来てもらっても構いません。
皆様、気軽にいらしてくださいませ。

