2011年羊稽古場 百二十一日目/終わりの始まりの二日目
犬に吠えられた。
僕が受け入れられていない。
それでも仲間になるんだから仲良くなろうぜ。
でもまあ、仲良くなれなくても良いさ。
まずは認めよう。
お互いの存在を。
愛川です。
12月5日/本番週の月曜日。
さすがにみんな大変で、稽古場日誌が書かれていなくて、まるで思い出せない稽古場百二十一目だ。
それでもやっぱりふと俳優たちのことを考えると鮮明に蘇ってくる。
ギリギリゆえに辿り着くことが出来る役者たちの佇まいが。
飯塚美雪の役者を楽しみながら、稽古を楽しみながら、演出を受けシンタイにあっという間におとして自分のモノにしてゆく姿。
中根道治の役への集中力が増して、俳優として素晴らしくなってゆく存在感のある演技。
小林祐美の、難しい演出を少しでも自分のモノにしようとして足掻いている姿。
牛尾咲の、役の解釈を、想いを説明し演出した時に、自分の役の意味を理解し涙する熱き魂。
齋藤邑佳の、全ての役に、6年2組の仲間たちメンバー全員の物語に、心が反応し、笑い、涙を流し、自分の役を愛する豊かさ。
三浦莉奈はたくさんの、たくさんの役の想い、物語を引き受けながら涙を流し、それでもその本当の優しさと強さを手にしようと心を使い、魂を使う。
山口祐介の、イメージ、想い、語る瞬間に込められた圧倒的、日常という名の物語が、台詞に少しずつ乗ってゆく様。
僕は忘れないんだな~と思う。
それは僕の記憶力が良いのではなく、俳優たちの素敵な想いや物語を携えた人間としての佇まいが、その瞬間に刻みつけられているからだと思う。
瞬間の魂。
そうして僕らはそれを、舞台の上に刻むのだ。

