移動する羊 是楽日

kohitsuji.exblog.jp

移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び

稽古場情報 僕らはやってくる者たちだ

ルーツというものがある。

これがない人はいない。
生物としての遺伝子学的ルーツ。
魂のルーツ。



僕は昨年の春にルーツを知った。

それはヒョイとやってきて、不思議な意味を僕の心の中に刻んでいた。
自分がいま、ココニイルことについて、膨大な量の物語があったのだと、シンプルにリアルに身体におちたのだ。
そしてその時僕の魂は、ルーツを辿る旅に出かけた。

つまり、そんな、ルーツにまつわる、ハナシ。

彼女はあまりの忙しさの自分に戸惑っているように見えた。

久しぶりに会った彼女は、自分のやりたいことと、自分に求められている、ヤラナケレバナラナイことの狭間で、自分の所在を見失っているように見えた。
実際は頭の良い人なので、キッチリとやりたいことと、ヤラナケレバナラナイことの意味を振り分けている。
そして自分の所在を知っている。
そこで踏ん張っている彼女は美しい。

しかしそれは脳みそのレベルであって魂のレベルではない。
それでも彼女は楽しむし、楽しんでいるし、きっと楽しもうとするだろう。

彼女は僕と話しながら、自分と理想との小さなズレ(でもそれは決定的なズレ)っ、それでも前向きにヤラナケレバナラナイこと、それを楽しむこと、でも何処かで違うと感じていること、そのようなニュアンスの言葉を、本心を上手に隠しながら連ねてゆく。

表層で。
ささやかな深層で。
彼女は様々な同時性で、語る。

彼女は、本当にやりたいことのために、ヤラナケレバナラナイたくさんの布石であろう、様々な仕事の意味を知っている。

それでも魂が探しているようだ。

自分のやりたいことと、ヤラナケレバナラナイことが一致する場所を。

僕はそのように感じながら、でも彼女ととりとめのない話をして、「じゃあまたね」と普通に自然にアッサリと別れた。
それから彼女はまた忙しい日々の中に帰ってゆく。
僕も創作活動の日々に戻ってゆく。

そんな彼女が自分のルーツを見つけたと、ふとしたキッカケで知ることになる。
その時、彼女がやりたいことを素直にやれていた時期を思い出した。
僕らはそんな時期をたくさんの仲間たちと共に過ごした。

その時の彼女はまるで、無邪気に遊ぶ少女のようだった。

今でもその姿が脳裏に焼きついている。
ずっと続くような気がした、創作活動だけの日々。

永遠はない。

でも永遠に続くかもしれない、道がある。

それはルーツからやってきて、自分を通り、未来へ向かう道程だ。

人はそれを家系と呼ぶかもしれない。
血ではなく歴史と呼ぶかもしれない。
継承。
伝承。
伝説。
神話。
受け継がれてゆく物語。
あるいは思想。
あるいはささやかな想い。

瞬間を引き継ぎ、積み重ね、ひたすらに僕らはゆく。

彼女はルーツを辿り、彼女の中で何かが埋まっていったようだ。
ぽっかりと空いた白に、ルーツの道の色がつく。

足跡。

見えないだけで確実に僕らの魂に刻まれた足跡。
そしてそれらが音を奏でながらやってくる。
音たててやってくる。

それはきっと明日へ向かう足音だ。

それがまた、誰かに引き継がれてゆくかもしれない。

永遠はない。

それでも永遠を願う想いはある。
永遠にツナガル想いのバトンがある。

僕は想う。
ルーツからやってくるモノを。
僕は願う。
彼女が辿り着くことを。
僕は祈らない。
僕にはまだやれることがある。
祈るのは、それからでも遅くない。

そんな覚悟で執筆をしている。

愛川です。



来週の稽古の予定です。

★1月30日夜東長崎/17時30分〜21時30分

★2月1日夜要町和室/17時30分〜21時30分

★2月4日夜東長崎/17時30分〜21時30分

いつもだいたい池袋周辺で稽古。

稽古内容。
アップ、基礎練習、ミッシングウォーク、作品作り。
興味のある方は愛川武博(loveriver@di.pdx.ne.jp)まで『稽古場参加希望』とタイトルに書いてメールください。
by moving_sheep | 2011-01-28 10:15 | 稽古場レポート | Trackback