移動する羊 是楽日

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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び

稽古場情報 大地のクロニクル

一時期(と言っても10日ほどだが)、ある男性とヒタスラにずっと、一緒に過ごしていたことがあった。



ほぼ彼の実家に寝泊まりをし、たまにまるっきり関係ない他人の家でウダウダし、音楽を聞きながら二人で大熱唱して、踊った。

あらゆるパーティーに出かけ(クリスマスから年明けまで僕らは一緒にいた)、ドライブをしては海を眺め、今度はアカペラで大熱唱しながら、笑った。

僕が冗談を言えばすぐにツッコミを入れ、彼がボケたら僕はまずはおどけたりして、でもすぐ、おどけたあとにちゃんとツッコミを入れた。

そんな彼から年賀状が来た。
6年ぶりの便り。
今の部屋に引っ越しをした時に、住所を教えていたのだ。
去来する、あの時代の想い。

その時代の僕らは(たかが10日間を時代と呼んで良いのかはまるっきりワカラナイが、それでもあの瞬間は時代だった。だから僕らはその時代が)ずっと続くものだと思っていた。

時代と言われる多くがそうであるように、終わることを頭ではワカッテイルのに、時代はまだまだ続くだろうと無意識に思ってしまう。

だから僕らもこの時代は、終わらないもなのだと思っていたのだ。

いや正確には“僕”は終わるとは思っていなかった。

でも活火山がその活動をやめてしまうが如くに、急速にその熱をなくしてゆく。
そこに残るのは活動を止めた山だけだ。
そこに確かに山は、ある。
しかし大地に熱が戻ることはない。

あとはこれの繰り返しだ。
それなりの尊敬も友愛も残しながら“熱”だけは消えてゆく。
人はそれを喪失と呼ぶかもしれない。
人はそれを愛への昇華と呼ぶかもしれない。
慣れ。
飽き。
より親密になったのだよ。

どちらにせよ、何が終わる。

何かが終わって始まっている。

繰り返し。
その繰り返し。

そして僕の中にそのツド降り積もる火山灰が、何層にも様々な色で上に向かって重なってゆく。
僕はその積み重ねた大地のクロニクルに、そっと耳をあててみる。
聞こえてくる。

音楽だ。

ふと横を見ると、その大地から水が湧き出ている。
僕はその水を口に含む。
身体の中に何かが染みわたってゆく。
何かが身体中を駆け巡る。
瞳を閉じて探る。

物語だ。

僕は音楽を聴き、物語を身体中に巡らせ、深呼吸をして瞳を開けて、ゆっくり上を見上げる。
蒼く高い空を見上げる。

そうして、空から降ってくる。

僕はそ中にただ一人立ち、そして思う。

イイカゲン年賀状の返事を書こう。

僕はそうして今やっと、年賀状を少しずつ書いている。
十枚にもミタナイけれど、僕に送れてきた年賀状に返事を書いている。
言葉を連ねている。
ささやかなアリフレタ言葉を、時間をかけて、でも想いを込めて、書いている。

愛川です。



来週の稽古は1月23日/25日でございます。


★23日夜要町/17時30分〜21時30分

★25日夜要町/17時30分〜21時30分

いつもだいたい池袋周辺で稽古。

稽古内容。
アップ、基礎練習、ミッシングウォーク、作品作り。
興味のある方は愛川武博(loveriver@di.pdx.ne.jp)まで『稽古場参加希望』とタイトルに書いてメールください。
by moving_sheep | 2011-01-20 19:23 | 稽古場レポート | Trackback