映画鑑賞 デザートフラワー

加田さんに昨日誘われて観てきました。

ソマリアの貧しい遊牧民の少女が世界的なスーパーモデルになる。
ワリス・ディリーの伝記映画です。



彼女の自叙伝「砂漠の女ディリー」は1997年に出版されたらしいです。
結構前の人。

スーパーモデルのワリスを演じたのは、現役スーパーモデルでもあるエチオピア出身のリヤ・ケベデさん。
あのですね。
モデルさんだからアタリマエなんでしょうけど、すごく魅力的な女優さんでした。
でもキレイでも、女優としてイマイチな人はたくさんいますね。
実際、最初はんー?イマイチかもなーと思っていたのですが、オハナシが進むにつれてグングン魅力的になっていきます。
演技も良い感じに。
シンデレラストーリーだから最初はイマイチでも良いんでしょうけど、イマイチは演技だったので、きっと自分の中のリアルと連動しづらかったのでしょう。

でも物語はたんなるシンデレラストーリーではなく「FGM(女性性器切除)」の物語になっているのです。

今でもアフリカの(アフリカ系移民ですら一部おこなわれている)風習に対する告発です。
そして彼女はその国連大使になってます。
なかなかにヘビーな内容なんですが、一応観やすく作ってありました。
ポップなシーンも多く。
笑えたり泣けたりします。

隣の加田氏がなんだか号泣しているようでした。

あまりの号泣にもらい泣きどころか引きました。
引きまくりました。

でも気持ちはワカリマス。
それはもう、イタミの映画だから。

痛みは個体差がとてもある感覚であるがゆえ、本当の痛みは分かち合えないんでしょう?
それでもその人のどうすることもデキナイ痛みを、自分の最大な痛みにオキカエルことが出来る想像力を持っているのが人間なのだと思うので、きっと加田氏は号泣したのだろう。と、冷静に考えさせられるくらいに号泣してました。

でもラストあたりのリアルな「わー」と辛くなるような鮮烈なシーンで、グビクビとペットボトルでお茶を、まるでお茶の間に居るかのように飲んでいる加田氏を横目に、やはり思うのです。

あなたの琴線ポイントはワカリマセぬ。

しかしこの映画は、ホント色々なことを考えさせてくれました。

一番は、イタミ。

様々なイタミが世界には溢れている。

とても難しくても、僕らはソレに気付かなくてはならないのだな。

タケケ

by moving_sheep | 2011-01-10 17:25 | takeke | Trackback
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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び


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