砂の歌を終わらなかった僕らは聴く
ヨーコは本番も公開ゲネもどうしても観れないので、これが最初で最後になる。
(昨日は妄想収集家のトオシを観にきてくれた)
一昨日その内容のメールをメンバー全員にメールしたらlenaさんからの返信メールに、ヨーコの名前を呼ぶ長い声が書かれてあった。
それは叫び。
でもあるいは?歌。
そう、それはひょっとしたら彼女にとって歌だったのかもしれない。
そう思うほど長い呼び声。
呼び、叫び、いつしかそれが歌になり、そして彼女は砂の歌を歌った、のかもしれない。
それは一瞬だけ世界にコダマする。
そうトオシの前に思いながら、僕はlenaさんとヨーコを待っていた。
そして思っていた。
少しでも届くといいなー。
そうしてトオシが始まり、加田斎が世界を語り始めて「砂の歌が聞こえる」の初めてのお客様を迎えた発表が始まった。
そして終わった。
感想は不思議なものだった。
覚悟も足りなければ、想いも移動もリアルも足りないのに、なんだか面白い、ということだった。
こりゃーもっともっと稽古して、もっともっと二人がタカミを目指せれば、もっともっと面白くなるんだろうなーと、アタリマエにアタリマエのことを思った。でもそういう風にアタリマエな状態の作品を、僕らは初めから普通に手に入れている。
これはリリー羊ゆえ。
lenaと加田斎と愛川武博の、誰一人として欠けては手に入れられなかった僕らだけの作品。
だからこそ思う。
もっと覚悟を。
もっと想いを。
もっとリアルを。
ヨーコが観にきてくれて本当に良かった。
ありがとう。
さらに目指そうと自然に思わせてくれる愛をありがとう。
目指すよ。
今日もひたすらに僕らは稽古場で、砂の歌を聴いている