2010年 12月 15日
公演だぜ! 46億年前からやってくる
3人の友人の女の子から、立て続けに報告があった。
「子供を授かりました」
僕は嬉しくなって叫ぶ。
言葉では言い尽くせない想いを文字にして、祝福する。
でもどんなに祝福や祈りの言葉を伝えても、僕のこの気持ちは伝えきれない。
その友人の女の子の中の一人に、刹那の物語、瞬間の音楽、移動する王国をトモに作り上げた女性がいた。
僕は彼女の明るく素敵な笑顔に、何度力を貰ったのだろうか。彼女の前向きな元気は、僕をひたすらに創作活動に向かわせてくれた。彼女がいるだけで、僕は作品を作る力を手に入れた。『僕らは何処にでも行けるぞ』そう本気で思わせた。そうして僕らは一緒に作品を作り、それを上演し、僕らの心に大切な物語を刻んだ。願わくば、観てくれた人々の人生の欠片になることを願って。そしてそれは少しだけ実現した。
始まりは居酒屋の、ささやかな会話だった。
「作品のタイトルや集団名を決めるの苦手なんだよ~」
僕が言うと彼女は、ニコニコしながら言う。
『愛川さんの想う何かでいいんですよ。何か思っていることや、感じたことや、大切な今までの日常や。ううん愛川さんはひたすら演劇を続けているから、きっと演劇的人生の、ささやかな想いで。そんなアタリマエのことでいいんですよ』
僕と彼女の会話を聞きながら、加田斎はひたすらにビールを飲んでニャンチキンとブツブツ言っている。
「うん。でも。苦手だなー」
『考えてみてくだい」
「時間かかるかも」
『待ちます』
「にゃんちきん」
彼女と加田斎は実際ずっと、ギリギリまで黙って僕の脚本を信じて待っていてくれた。どんなに遅くなっても、笑顔でひたすらに待ってくれた。
「あっ」
僕はふと思い出す。
『なんでしょう?』
「昔から僕が言っている言葉があって」
『うん。なんですか?』
「いや、でも、たいしたことじゃないんだけど」
『いいんですよ』
「ちょっと変だよ」
『大丈夫です』
「うん」
『はい!』
「はい。それはゾクであってゾクじゃなくて」
『謎かけですね』
「僕で」
『愛川さんで』
「やっぱ変だよ?」
『きっと大丈夫』
「自分で言ってただけだから」
『それでいいんです』
「そうかな?」
『それが、いいんです』
「うんワカッタ。笑わないでね」
『笑わないよ~』
「にゃにゃにゃ、にゃんちきん」
「うん。その言葉は・・」
『なんです?』
「移動する羊」
そうして彼女はそれを聞いて嬉しそうに、すごくニコニコしながら、こう言った。
『素敵じゃないですか』
このようにして僕らは鹿児島に渡り、二週間かけて『移動する羊』というタイトルの作品を作り、そのままそのタイトルを集団名にひっさげて『演劇集団・移動する羊』を立ちあげる。
もっとも彼女は、その作品を一緒に作ったあと、就職して、結婚して、演劇からは離れるのだけれど。
たった三人のささやかなスタート。
でも、確実に僕らにとって大切なスタート。
その「始まり」はまるで世界に響く祈りのようだった。
届け、届け、と。
僕らの物語が届けと。
彼女は母になる。
まるで子供のように無邪気で、まるで聖母のように優しくて、彼女は一瞬逃げ出したとしても、すぐに今までより強くなって帰ってくる。どんなに涙を流しても、その涙の意味を力に変える。
そんな彼女が、母になる。
僕はひたすらに嬉しくて、嬉しくて。
人前で泣かないと決めたのに、僕はメールを読んで、人ごみの中で涙を流す。
そんな僕の横を、彼女の思い出が通りすぎてゆく。
たくさんの彼女が僕の横を通りすぎてゆく。
僕は何度も振り返る。
そして彼女を確認したら、僕はゆっくり前を向く。
そうして僕は上を見上げる。
君の中に生まれた生命は、長い長い時間をかけて君に会いに来たんだ。地球が生まれたその時から、たぶんきっと、君に会いにくるためだけに長い旅をしてきた。君に出逢うためにその生命は、進化の過程を羊水の海で歩んでる。そこにあるのは46億年の夢だ。祝福の音楽だ。ささやかな祈りの歩きだ。
君はきっと素敵なお母さんになる。
でもどれほどの想いや文字を重ね、祝福や祈りの言葉を伝えても、僕のこの想いは伝えきれない。きっと僕の気持ちは、彼女にはほんの少ししか届かないだろう。
でもそれでいい。
それがいい。
僕のこの想いは僕だけのものだ。
『愛川さんの想う何かでいいんですよ。ささやかな想いで。アタリマエのことで』
僕はそうして笑顔になる。
だから僕はこの想いを頼りに物語を作ろう。
彼女のために物語を作ろう。
それは僕の、ささやかな祈りの物語だ。
公演やります!『砂の歌が聞こえる』
「子供を授かりました」
僕は嬉しくなって叫ぶ。
言葉では言い尽くせない想いを文字にして、祝福する。
でもどんなに祝福や祈りの言葉を伝えても、僕のこの気持ちは伝えきれない。
その友人の女の子の中の一人に、刹那の物語、瞬間の音楽、移動する王国をトモに作り上げた女性がいた。
僕は彼女の明るく素敵な笑顔に、何度力を貰ったのだろうか。彼女の前向きな元気は、僕をひたすらに創作活動に向かわせてくれた。彼女がいるだけで、僕は作品を作る力を手に入れた。『僕らは何処にでも行けるぞ』そう本気で思わせた。そうして僕らは一緒に作品を作り、それを上演し、僕らの心に大切な物語を刻んだ。願わくば、観てくれた人々の人生の欠片になることを願って。そしてそれは少しだけ実現した。
始まりは居酒屋の、ささやかな会話だった。
「作品のタイトルや集団名を決めるの苦手なんだよ~」
僕が言うと彼女は、ニコニコしながら言う。
『愛川さんの想う何かでいいんですよ。何か思っていることや、感じたことや、大切な今までの日常や。ううん愛川さんはひたすら演劇を続けているから、きっと演劇的人生の、ささやかな想いで。そんなアタリマエのことでいいんですよ』
僕と彼女の会話を聞きながら、加田斎はひたすらにビールを飲んでニャンチキンとブツブツ言っている。
「うん。でも。苦手だなー」
『考えてみてくだい」
「時間かかるかも」
『待ちます』
「にゃんちきん」
彼女と加田斎は実際ずっと、ギリギリまで黙って僕の脚本を信じて待っていてくれた。どんなに遅くなっても、笑顔でひたすらに待ってくれた。
「あっ」
僕はふと思い出す。
『なんでしょう?』
「昔から僕が言っている言葉があって」
『うん。なんですか?』
「いや、でも、たいしたことじゃないんだけど」
『いいんですよ』
「ちょっと変だよ」
『大丈夫です』
「うん」
『はい!』
「はい。それはゾクであってゾクじゃなくて」
『謎かけですね』
「僕で」
『愛川さんで』
「やっぱ変だよ?」
『きっと大丈夫』
「自分で言ってただけだから」
『それでいいんです』
「そうかな?」
『それが、いいんです』
「うんワカッタ。笑わないでね」
『笑わないよ~』
「にゃにゃにゃ、にゃんちきん」
「うん。その言葉は・・」
『なんです?』
「移動する羊」
そうして彼女はそれを聞いて嬉しそうに、すごくニコニコしながら、こう言った。
『素敵じゃないですか』
このようにして僕らは鹿児島に渡り、二週間かけて『移動する羊』というタイトルの作品を作り、そのままそのタイトルを集団名にひっさげて『演劇集団・移動する羊』を立ちあげる。
もっとも彼女は、その作品を一緒に作ったあと、就職して、結婚して、演劇からは離れるのだけれど。
たった三人のささやかなスタート。
でも、確実に僕らにとって大切なスタート。
その「始まり」はまるで世界に響く祈りのようだった。
届け、届け、と。
僕らの物語が届けと。
彼女は母になる。
まるで子供のように無邪気で、まるで聖母のように優しくて、彼女は一瞬逃げ出したとしても、すぐに今までより強くなって帰ってくる。どんなに涙を流しても、その涙の意味を力に変える。
そんな彼女が、母になる。
僕はひたすらに嬉しくて、嬉しくて。
人前で泣かないと決めたのに、僕はメールを読んで、人ごみの中で涙を流す。
そんな僕の横を、彼女の思い出が通りすぎてゆく。
たくさんの彼女が僕の横を通りすぎてゆく。
僕は何度も振り返る。
そして彼女を確認したら、僕はゆっくり前を向く。
そうして僕は上を見上げる。
君の中に生まれた生命は、長い長い時間をかけて君に会いに来たんだ。地球が生まれたその時から、たぶんきっと、君に会いにくるためだけに長い旅をしてきた。君に出逢うためにその生命は、進化の過程を羊水の海で歩んでる。そこにあるのは46億年の夢だ。祝福の音楽だ。ささやかな祈りの歩きだ。
君はきっと素敵なお母さんになる。
でもどれほどの想いや文字を重ね、祝福や祈りの言葉を伝えても、僕のこの想いは伝えきれない。きっと僕の気持ちは、彼女にはほんの少ししか届かないだろう。
でもそれでいい。
それがいい。
僕のこの想いは僕だけのものだ。
『愛川さんの想う何かでいいんですよ。ささやかな想いで。アタリマエのことで』
僕はそうして笑顔になる。
だから僕はこの想いを頼りに物語を作ろう。
彼女のために物語を作ろう。
それは僕の、ささやかな祈りの物語だ。
公演やります!『砂の歌が聞こえる』
by moving_sheep
| 2010-12-15 16:06
| 砂の歌が聞こえる
|
Trackback

