移動する羊 是楽日

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移動する羊による稽古場の一つであり、呟きの場であり、表現の場所 物語・小説・詩・遊び

公演なりー!深海から浮上する

その時、その人の無意識がリズムをとり、唇が歌の歌詞をなぞる。まるで子供のようにワクワクしている姿を見た瞬間に、僕は翼のない天使の存在を知り、魂がふるえるのを感じた。

なんて可愛いのだろう。

なんて無邪気なのだろう。

僕はこの笑顔を知らない。

無意識の天使は、最大級の笑顔で僕の心に幸せを届けてくれたのだ。

それは恋とか愛とかじゃ語れない、魂の反応だった。
僕は出逢い、また出逢い、そしてまた出逢ったのだ。

でもこれを一般的には恋というのだろうか?もしそういう言葉が適切ならば、僕は恋をしたのだな。それとも愛の領域に属する気持ちなのだろうか?確かにイトオシイと思うから、それはそれで正しいのかもしれない。ただ、この気持ちの存在は、僕の中には今までなかった。つまり僕は初めて出逢ったのだ。

だから、この気持ちの名前を僕は知らない。

僕はこの気持ちの名前を探さなくてはならない。

それは長い長い旅になるかもしれない。
果てしない旅になるかもしれない。
それとも明日、ひょいと僕は探し出せるかもしれない。
明日、僕はこの気持の名前を知るかもしれない。

言葉はいつもどこにも届かずどんどんウソになってゆく。
言葉がなければ約束なんてしなくてすむのに。
期待なんてしなくてすむのに。
でも僕は言葉にしなければならない。
言葉を探さなくてはならない。
この気持の名前を探さなくてはならない。
旅立たなければならない。

そして僕はその夜に夢を見る。

僕は暗闇の中にいて、遠くの方から音が聞こえる。
何だろうあの音は、まるで静かな音楽。
僕はもっとその音が聞きたくて、ゆっくりとそこへむかって進んでいく。
ひたすらに、ひたすらに目指し続ける。
ゆっくりと、ゆっくりとそこにむかう。
暗闇の中でその音だけをたよりに、その場所をめざしてゆく。
するとさ。

少しずつまわりが明るくなってくるんだ。

光が強くさしてくるんだ。

そうだあの音はあの光の先端から聞こえてくる。

光が強くなればなるほど音は大きくなってくる。
ゆるやかによせてはかえすやさしいリズム。
あれを知っている。
僕は知っている。
あれは。そうだ。あれは。

波だ。

目をさましてなぜか泣いてしまったあの時の波だ。
波だ。
涙。
あふれでる涙。

探しに行こう。

僕の中に生まれた、この気持ちの名前を探しに行こう。

きっとみつかる。
きっと探せる。
そしてそれをみつけた瞬間に、僕は大きな声でその名前を叫ぶんだ。
行こう。
大丈夫。
僕は大丈夫。

だって僕は。

ささやかな祈り。

そして目が覚めて、僕は僕の意味を知る。

愛川です。


公演やります!
by moving_sheep | 2010-10-25 16:00 | 妄想収集家 | Trackback